家づくりブログ|ストーリー形式で家づくりについて詳しくなりましょう

ストーリー形式で家づくりについてご紹介していきます。家づくりについて学びたい人は読んでみましょう。

三浦家の住み替え計画07

あれから、15年が経とうとしていました。

家族の変化していく推移、こうなって行くだろう、いずれ家族はバラバラになって行く、

そう見込んだ、三浦家ご主人の読みは的中していました。

 

今となっては、漫画家としてアルバイト並みの収入を稼ぎながらご両親の老後を見届けようとしている末娘のみどりさん以外は、すべて都内には留まっていませんでした。

 

結局、長女夫妻は、多額の借金負債を跳ね飛ばし関西に豪邸を建てていました。

長男は、再婚せず、二人の娘と、一人の男の子のしっかりとした生長を見届けながら海外で生活しています。

 

15年前、都心からやや外れたこの地域に中古マンションを購入した時点で、この辺りの地域一帯に大きなショッピングモールが集中して賑やかな場所となる事は予想できていませんでした。

二棟購入して一時的に繋げて大所帯の生活を支えていた片方の一棟は分離して高額で売却しました。

その売却に際して、圧倒的な人気が集中した時、数年前の興奮はいまも三浦家ご夫妻は忘れていません。

還暦をとうに超え、いよいよ、仕事も少し考えていかなければならない時期、年代に差し掛かった三浦家ご夫妻、幸い、子供たち全員、しっかりとした道を歩んでいます。

 

 

三浦家のご主人には最近少しうれしい事がありました、

これは想定外のことです。

 

自分たちの生活、行く末を考えて、大切にしていた3年程度しか生活していなかった大切な一戸建ての自宅を売却したことに、感謝ただそれだけの念で想い続けていたご長男は、海外での事業も好調なこともあり、もとの一戸建ての家を買い戻してくれる予定であると、海外からのメールで知らしてくれています。

 

三浦家のご主人にとって、それはどうでもいい事なのかもしれません。

最近、関西の長女のもとから、血は繋がっていないもののひ孫のひいおじいちゃんを慕うメールの便りは何より老後の愉しみだったのです…

三浦家の住み替え計画06

三浦家ご主人は、真面目な性格で、一本気なところがありました。

融通の利かないところ、決めたら頑として動かない、そういったところを理解していたのは、長男でした。

昔気質、頑固者、頑固おやじ、そういった性格は家族からそれなりに愛されていましたが、ご主人の弱点でもありました。

ご長男は、お父様に内緒で、現在の物件、一戸建ての売却に際して、複数の不動産会社に相談を入れていました。

 

買い替えで、住み替えで肝心なことは、決めるときはすぐ決める、しかし、けっして妥協してはいけないということはご長男はわかっていました。

 

① 住み替え物件を決めた後で、再度組んだ住宅ローンを検討しながら売却物件の売り相場を妥協なく進めていく、急ぐことはたたき売りは危険と言ったことと一緒で、じっくり構えることも大切…

② 一度決めて、これはと思った、物件に対して購入計画を進めるときは、臆せず進めることも後悔を残さないと言った意味で正解(そういった意味お父様の決断は正しかったと思います。)

 

ご長男の決断にすぐに首を縦に振らなかったご主人ですが、当初、新規に組む住宅ローンの現在の住まいの債積分の金額を残したまま新しい住宅ローンを組むと言った予定が、現在の物件の売却に際しての有利な条件をしっかりと把握して売却に協力していく計画を立ててくれた、ご長男の検討した不動産業者の取り計らいで、実際の売却価格に大きな差が出ていました。

明らかに、ご主人の読みは甘かったというべきでした。

 

書面化された、プランをもとに、再度、ご主人は取引きをかけましたが、ご長男の決断が勝っていました。

その時の、ご主人の表情を観たご長男は、一気に後悔の念を抱きました。

急に親父が老け込んだようだ…

 

 

それは、ご長男が、ご主人を超えたときでした。しかし、そのときのご長男の悲しみは、取り戻せた差額分の取引で得した利益では消せない、親子としての、やりきれない想いがこもったものでした。

 

 

ご長男は少し、自分の両親に対しての向かい方を後悔しました。両親はいつまでもそこにいてくれるものではない、そう初めて感じた瞬間でした。

三浦家の住み替え計画05

三浦家のご主人は、現在の売却予定の住まいより、二つ遠い駅の少し交通の便の悪くなる場所にめぼしい中古マンションを見つけていました。

ご主人の仕事関係の情報から得た物件でした。

当初の予算より格安に抑えられる以外に、長男に住宅ローンをかぶせずに、二棟分の広めのマンションスペースを確保できるという好条件でした。

二棟分のマンションスペースをリフォームによって一部スペースを繋いで使うと言った難しい条件もクリアーできるといった点で、ここ以外にないとご主人はにらんでいました。

 

 

長女夫妻の長期同居は除外したうえ、長男家庭もいずれ独立していくと言った予想と願いも込めた決断でした。

長期的に見て、マンションサイズの子供部屋5畳程度のスペースが4つほど確保でき、それぞれの和室、LDKなどを有効的に使って大家族の生活の場を支えていくと言った決断でした。

いずれは、全ての子供たちが独立していくことと、最終的に二人きりになったとき三浦家のご夫婦は、二棟つなげたマンションスペースを分離してひとつは売却するつもりでした。

そのため、築7年の物件を選びました。

内装は、売却していく現在の住宅と大して差はなく、目新しさを維持した物件でした。

ただ、祖先から受け継ぐこととなり、3年前に新築した時は、永住するつもりでいた現在の一戸建てと別れを告げることはやはり三浦家のご主人にとっては辛いところでした。

 

不動産関連の連携もうまく進み、現在の一戸建ての物件の買い手もすぐにつきました。

あとは、移転だけです。

 

住宅ローン計画については、あとあと充分長男に説明するつもりでした。

長男は、最初移転物件が決定した時、何故そんなにケチるのかと言った態度でした。

しかし、三浦家のご主人には長男に、そして、完全に子どもたちに早くから住宅ローンの地獄を味あわせたくないと言った信念がありました。

死んでもその信念を曲げるつもりはありませんでした。

結局、築七年の中古マンションは、リフォームにも築年数に必要な額以上の出費をする計画となり、三浦家ご主人は単独で、二棟分のマンションローンを抱えるだけ抱える羽目となっていました。

三浦家の住み替え計画04

久々の飛び石連休となりました。

三浦家では、連休前から、いろいろな住環境の住み替え計画について、当初はご主人が、具体的な手段については奥様が、いろいろと決断を下していく必要がありました。

 

3年半前に新築した軽量鉄骨系構造の新築住宅は土地付きと言った好条件で売却することは決定していました。

都内の比較的交通の便のいい場所に、好条件の立地で建てられているものとして、新築並みの資産価値はないものの、土地付きで売却することを前提とすれば、当初組まれていた住宅ローンの大部分は返せます。

 

それよりは、今後、大家族として一つにまとめていかなければならない、三浦家の新住居はどういった形態とするのかと言ったことが大きな問題でした。

 

それは、今後の住居獲得の住宅ローン返済の一部も担うとおっしゃったご長男様の意見が発端でした。

分譲マンション全階を買い占めてはどうかというものでした…

 

正直、ご主人は迷いました。

長女ご夫妻は現在三浦邸に同居されていますが、近いうちに自分たちの住居をなんとか確保するでしょうし、長期の約束で、同居を約束しているご長男様ですが、27歳と言った若さで一生の運命を縛り付けるわけにはいかないと言ったのは、お父様の気持ちでした。

 

 

お父様は、一応納得したつもりでした。

しかし、三浦邸のご主人は実際ご長男に住宅ローンをかぶせるつもりなんてありませんでした。

 

 

現在の三浦邸の土地ごとの売却で、建物だけだったローン返済を簡単に返済できて、黒字となった上での新物件購入とその返済ローンです。そのため、ご長男はちょっと無理して二馬力なら、新築分譲マンション3棟分のスペースを無理して確保できると見込んでいました。

 

部屋の広さは少々手狭となって行きますが、3棟分のスペースがあれば超マンモス一家としての規模の現在の三浦邸の家族定員は収容できます。

しかも、ご長女夫妻はしばらくは同居予定ですが、長女夫妻にはそれなりの計画もあるようでした。

三浦家の住み替え計画03

 まず、三浦邸様の3年前に新築された、軽量鉄骨系の骨組みのプレハブ住宅について考えていきます…

 

① 構造  耐久性  メリット

日本ではプレハブ住宅の始まった歴史と同時期にスタートした工法です、工業化された環境で住宅建材も供給されています。そのハウスメーカーのバックグラウンドに、複数の住宅メーカーとして同系列の企業の共通した建材の研究開発媒体としての企業が大きく支援しています。

製品としてのクォリティも非常に高く、業界での信頼性も極度に高く、一時期、業界ナンバーワンメーカーへとしての地位も築いていましたし現在もその地位に引けを取りませんし勢いもあります。

軽量鉄骨を骨組みとしていますが、耐震性もコストの割に圧倒的に高く、廃材としての取り扱いも比較的簡単です。

住宅全体にかかるコストも庶民の手に届きやすい、手ごろなものからハイグレードなものといろいろありますが、構造体自体、グレードによる優劣はなく、大きく信頼のおけるものです。

 

② デメリット

 

特殊なものとされる構造体なのですが、取り扱いやすい反面、高品位な構造体であるがために汎用的な増改築、工事施工を受け付けにくく、そうしたことによる懸念も大きくなります。

増改築など、当ハウスメーカーに問い合わせるのが、一番効率的です。

一般の工務店、施工会社に、そういった構造体の施工管理を依頼した場合スムーズに行きにくくなります。

一般に木造住宅(木造軸組工法)とされるよくある家と比べて取り扱いはやや難しくなります。

構造体、家としての耐久性と、増築改築の利便性の両立を求めるユーザーにはやや硬苦しくなる傾向はあります。

 

 

自宅の生活管理は、三浦様にとっては奥様の役割です。

子供さん、6名の増加、寝室の2室の必要性、これは重症の課題でした。

ちょっとした増築程度では対応できるものではないと判断した奥様は、ご主人に住み替え計画を提案します。

まずは資金繰りから計画の見直しは始まりました…

三浦家の住み替え計画02

 建替え、増築、三浦様邸のご主人はいろいろ悩まれていたと思います。

三浦邸のご主人はいろいろな悩みに直面されていました。

 

ご長男、ご長女が独立されて、新築もされ、順調にことは進んでいました。

三浦邸ご主人も50歳と言った年齢が近づいてくるうち、いろいろと将来について不安なことも多くなっていきました。

 

24歳でご家庭を持たれた長男様、都内で大手食品製造会社で販売の営業の仕事をされています。多子家庭に育ち、充分な進学費用に恵まれたわけではありませんが、国立大学を出て、在学中もアルバイトなどを同時に複数こなし、学業の維持どころか、親御さんの家庭にもお金を入れていた優秀な長男様です。

 

長男様の仕事ぶりは順調でしたが、バツイチで再婚されていた年上の奥様が心臓の病気で急死されたことは、結婚3年目で、まだ2歳と言った実子の幼児と二人の血のつながらない娘さんを抱えた長男様は一気に自分独りで大きな責任を背負うこととなりました。

 

亡くなられた奥様は、血縁者も少なく、まだ離乳食から離れたばかりのご長男の実子の男の子と、ふたりの小学生の娘さんは、おばあちゃんとしての立場の三浦邸の奥様の世話にならなければ生活していけない状況となりました。

 

40代半ばで、幼子と、二人の女の子の世話を焼くことになった奥様は、会計事務所の職務を休職します。

 

そうこうしているうち、ご長男は娘さんと奥様の思い出の詰まった賃貸マンションを引き上げて三浦邸様の新築住宅に住みつくようになります。

 

 

長女様は長女様で、バツイチでお父様の運送会社の部下としてお父様とはいい間柄のご主人に親戚からの負債を負わされて、自宅を売却しなければならない事態となって行きました。

とりあえず、三浦邸のご主人は、娘婿でもあり、普段可愛がっている部下でもあるご長女の婿を一時的にでも自宅に迎え入れなければと言った決心をします。

 

 

もともと二人の学生の娘さんのいる家庭、そこに幼児を含めたご長男の家族が加わり、ご長女の三人の男の子を含む同居、

40坪程度の新築3年の住宅は満杯を超え、限界をとうに超えて行きました。

 

三浦邸ご主人は深く悩まれました。建て替えか増築か…と

三浦家の住み替え計画01

 四人の子供さんに恵まれた、三浦家様は、長女と、長男様が独立され、それぞれ家庭を持って家を出て行かれました。

残された二人の娘さんは中学生と、高校生、それぞれ学業に忙しく家の手伝いを全くしないと嘆かれる三浦家の奥様は40代に差し掛かられたばかり、ご主人は運送業、奥様も近くの会計事務所勤務と忙しくアクティヴなご家庭です。

 

 長男様は24歳、独立されて子持ちのバツイチの年上の女性と結婚されていきなり二人の小学生の娘さんのお父様となられて、結婚後、新しく奥様との間に一人の男の子を授かりました。

 長女様もお父様の同僚の年上のまたまたバツイチの男性と入籍されいきなり中学生三人の男の子の母親となられました。

 

 三浦様は二人の子供さんが独立されたのを機に、新築計画を立てます。

 ご主人が40代後半と、収入面で一般的な年齢の比率から言えば決して多くないものの、奥様の事務所勤務の仕事も板についてきたこともあり、この際、両親から相続する羽目となった都内の広い土地を生かす意味でも、思い切って建物だけのローン返済で済むということも考慮して軽量鉄骨系のプレハブの新築住宅を建てられました。

 

 その間取りは、それぞれ独立されたご長男、ご長女のご帰省時には出迎えるスペースとして二間続きの和室と広いLDK 二人の娘さんには十分整った学習生活環境の確保と、二階の夫婦主寝室以外の二人の娘さんにはウォークインクローゼト付きの個室など、40坪程度の新築住宅に、時々交互に遊びに来られる長男、長女様のご家族と、良好な関係のまま数年が過ぎました…

 

 三浦様が、都内の住宅展示場などや住宅専門誌などを新築時には充分考慮されて、様々な工法、建て替えの実例などまで徹底的に調査されて、こちらの大手住宅メーカーの一般的な坪単価の新築住宅に決定されました。

 規格住宅として、あらかじめ決められたプランの中からめぼしいプランを選び、若干住みやすくなるよう間取りの変更を加えただけでしたので、住宅メーカーとしての価格では平均よりやや低めの価格で、高品位の住宅を実現できたと三浦家様としてはご家族全員ご満足な様子でした。

 

 しかし、それぞれのご家族の事情というものは複雑なものですし、その後、三浦様邸は波乱万丈な住み替え計画を余儀なくされてきます…