涌井家の本格和風造りマイホーム計画05
涌井家の長女、美香さんのパートナー洋さんの定職にとどまらずに、自由業としての立場に、世間体とかといったものも考えて、疎遠としていたご両親も、自分たちの考え方に間違いがあったと言ったことも最近では考えていく余裕も出てきていました。
兄の豊さんも、豊さんなりに心配していたことでした。
豊さんは、自分の会社の下請けに、少し楽だけれど、倉庫管理の仕事があると気を遣って、美香さんに言っていました。
美香さんは、最初は兄にそこまで迷惑はかけられないと一転張りでしたが、冷静に考えて兄の申し出に快く応じる結果となり、そこで就業規則にやや窮屈に感じていたと言っていた洋さんでしたが、仕事は順調に続いているようでした。
そんな折、お父様が、二度目の脳梗塞の発作で倒れられました。
最初は、両親の加齢に対応しきれずにいた豊さんでしたが、次第に自分の背負った責任と親に対して背負わなければならない義務について心の底ではずっと悩んでおられたのも確かでした。
① 新居は、お父様の夢に焦がれていた、総檜造りの本格和風住宅として、お父様の書斎は、8帖の本格書院の和室を計画されていました。
② お父様が生活しやすいようにと、お父様の書斎に隣接した洋間は、バリアフリーに対応したお父様とお母様の寝室として活用していくこと。
③ 二階のスペースに、長女の夫婦家庭のスペースとして確保、長女ご夫妻の子供さんの誕生も見込んで、長女夫妻の独立LDKは間仕切り収納で区切れる将来的な設計に対応していました。
④ 住宅ローンの殆どを背負って、責任を持って支払っていく責任者の豊さんは、北向きの、隅の6帖の洋間で充分だといって、特に今回の新築計画は両親を喜ばせればそれでいいと言った無欲な姿勢を見せておられました。
総檜づくり、真壁の和室と、最新の機能を持った本格和風住宅は、檜材の仕様により坪単価70万と言ったハイコストな住宅となって行きました。
建築を担当するのは、都内でも好評な、全国ネットの大手木造住宅メーカーでした。