涌井家の本格和風造りマイホーム計画07
竣工して、地鎮祭も守備よく行われました。
涌井家のお母様、お父様は、昔気質の人で、縁起を担ぐ傾向が強い人でした。
最近では、地鎮祭、棟上げ式などは都内ではとりおこなわないと言ったご家庭も多い中、涌井家は地鎮祭でのご祝儀もふんぱつしておられました。
棟上げ式について…
建築計画の無事で安心した計画進行を願って土地の神に祈る意味で行われる、よく知られた行事です。
神道からの習わしから伝わった経緯もありまして、古くから、わが国では地鎮祭同様一般に親しまれてきました。
アジアの一部の国でも、わが国同様に、こう言った儀式に重点を置く傾向もみられます。
地鎮祭は、一般に神主様をお呼びして神に祝儀する方式なのに対して、棟上げ式は、建物の主柱が建ちあがった時点で行い、大工さん、職人の慰労会と言った意味合いが強いのが特徴で、神主様を呼んだりはしません。
鉄骨系プレハブ住宅でも、鉄筋住宅でも、木造住宅同様に棟上げ式を行うのは一般的です。
総檜造りの新居と言っただけあって、棟上げ式の現場を訪れた長男豊さんはさすがに癒された気持ち一杯で、改めて新居の完成を心待ちにして毎日を過ごしていきました。
お母様は、最近習い事を始めました。
豊さんに対して、親として、余りにも普通の接し方と言えないほど配慮のない、不適切な過保護に大きく反省していました。
美香さん同様、豊さんも、少しずつですが、自分の足で人生を歩み始めているようです。
いつまでも、両親は元気なままで自分たちのそばにいてくれないだろう、
豊さんも、美香さんも、そのことは今回のお父様の病気で実感は大きかったと思います。
それ故に、親に対する優しさを本来持っていた豊さんの心も、大変な時期であると思えます。
今は、新築と言った希望で結束の固い涌井家、
高品位の総檜の自宅にこだわられる奥様の心に、いつまでも変わらない劣化しない家庭同志の絆、そういったものへの想いもあるのだと思います…