涌井家本格和風造りマイホーム計画01
20歳代半ばの一般的なサラリーマンの豊さん、ご両親と一緒に暮らしていらっしゃる豊さんは典型的な真面目一本やりの男性でした。
しかし、友達は少なく、ご両親第一主義、仕事が終わると、まっしぐら隠居生活していらっしゃるご両親の待つ築50年の閑静な旧住宅街の自宅に都内の路線バスを使って帰宅されます。
そんな豊さんは、恋人もできるはずもなく、趣味もほとんどなく、ただご両親に甘えて仕事の疲れを癒して、また翌日会社に出掛けられると言った地味な青春を過ごしていらっしゃいます。
髪型も地味に刈り上げて、何の特長も無く、映画を観るのも文部省選定の作品とか、童謡唱歌をときどきご両親と行くカラオケで唄っていらっしゃいます。
ただ典型的なコースに乗って、ただ当たり前の個性のない、目立たない、波風を立てないことが理想的な人生だといった価値観に縛られていらっしゃいました。
豊さんには二歳違いの一人の妹さんがいらっしゃいました。
妹さんの美香さんは、豊さんのようにご両親に依存しているわけではなく、学生時代は単独でのアルバイト生活や賃貸マンションでの独り暮らしを早くに始めて、ご両親に反発した態度で生きていらっしゃいました。
それだから、ご両親は豊さんの妹さんに快く対応していらっしゃいませんでした。
豊さんとは対照的に、自分で生きていく道を切り開いて、そして自分勝手に収入のほとんどないミュージシャン志望の同級生の男性と籍を入れて、ご両親からは絶縁同様の状態で勝手に都内で生活していらっしゃいました。
そんな豊さんとご両親のご家庭、涌井家様は、自宅の老朽化が目立ってきた自宅のリフォーム計画か、もしくは新築計画も視野に入れたマイホーム計画をスタートさせます。
① 26歳の豊さんには、多くの住宅ローンを抱えて、支払っていく経済的余裕は充分ありましたし、将来的にも良いほうに見込まれていらっしゃいました。
② ご両親の意見が絶対的に優先していく主義の豊さん、ご両親の希望も考慮して、新築に踏み切って行く場合、総檜造りの、本格和風木造住宅もと検討していらっしゃいました。